『 脂質異常症は治療した方が良いのか? 』について。
2017年6月21日
白金いびき・内科クリニックの内田 晃司(うちだ こうじ)です。
東京も梅雨空がしばらく続きます。気管支喘息・咳喘息の方は悪化しやすい時期ですので、ご注意下さい。
本日は、『 脂質異常症は治療した方が良いのか? 』についてお話させて頂きます。
脂質異常症とは、血液中の脂質(各種コレステロールや中性脂肪など)が多すぎたり、少なすぎたりしている状態の事を言います。以前は高脂血症と呼ばれていましたが、少なすぎる事も問題となるので、まとめて脂質異常症と称されるようになりました。
脂質異常症の診断は空腹時採血を行った場合で、
・LDL-コレステロール 140mg/dl 以上
・HDL-コレステロール 40mg/dl 未満
・中性脂肪(TG) 150mg/dl 以上
のいずれかに該当すれば、脂質異常症と診断できます。
脂質異常症と診断された場合は、更に年齢・性別・狭心症や心筋梗塞の既往・高血圧や糖尿病や腎障害の既往・喫煙歴・家族歴を考慮たした上で、治療導入の必要性が検討されます。
では、脂質異常症があると何か問題があるのでしょうか?
血液中の脂質(コレステロールや中性脂肪)が高値または低値が持続すると動脈硬化をもたらします。
この動脈硬化が原因で、脳出血・脳梗塞・狭心症・心筋梗塞・心不全・眼底出血・腎障害などが高率に発生し、健康寿命の短縮と寿命の短縮が起こります。
特にHDL-コレステロールが低くなると、高率に狭心症や心筋梗塞などの冠動脈疾患を起こす事が確認されています。
ですので、健康寿命の短縮と寿命の短縮が起こらないように、また健常者と同様の日常生活が送ることが出来るように、生活改善(食事内容や喫煙・・飲酒などの嗜好の改善)と必要な方には投薬で日々の脂質コントロールを行う事をお勧めします。
以上、『 脂質異常症は治療した方が良いのか? 』について、お話させて頂きました。