『 女性のいびき 』のお話。
2020年9月17日
白金いびき・内科クリニック 院長の内田 晃司 (うちだ こうじ)です。
最近、いびきを指摘され受診される女性の方々が増えておりますので、本日は『 女性のいびき 』について、お話させて頂きます。
「あなたはいびきをかきますか?」
そう尋ねられると、中々「はい」とは答えにくいものです。特に女性の方はそうだと思います。
いびきの音が大きい事は、ご自身で気付くよりも家族や友人に指摘される事が多いです。いびき音を指摘された事がある方は、成人男性で50%前後、成人女性で20%前後とされています。
いびき音が大きくなる理由の多くは、夜 寝ている時に下顎を支えている筋肉が緩む事で気道を塞いでしまい、いびきの音が出ています。通常、夜 寝ている時は体を休めるために全身の筋肉が緩むのですが、下顎を支える筋肉が緩みすぎると、重力により下顎が喉にある気道の上に乗りかかります。すると下顎の重みで気道が狭くなり、狭い場所を呼吸による空気が早く通過するために、いびきの音が鳴ります。ですので、横になると重力がかかりづらくなるので、いびき音は軽減します。
女性の方でいびきをかかれる方の特徴として、顎が小さい事が挙げられます。日本人の女性は顎が小さい人種です。顎が小さいと空気の通り道である気道も狭くなるので、いびきをかきやすい状態になります。特に痩せ型の方は、気道が細長いためにいびきが鳴りやすいと考えられています。
また、女性ホルモンには気道を力強く拡げる作用があるので、女性の気道は男性と比べると狭くなりにくいようになっていますが、年齢を重ね女性ホルモンが減少して行くと共に、この気道を拡げる作用も減少するため、女性の方は45歳を過ぎてから、いびき音を指摘される方が多くなります。
睡眠中のいびきや無呼吸の数が多い方は、睡眠時無呼吸症候群という病気が存在する可能性があります。睡眠時無呼吸症候群は、高血圧・脂質異常・糖尿病・肥満などの生活習慣病や、不整脈・うつ傾向・熟眠感の欠如・日中の眠気といった病気や症状を発症させるリスクの高い病気です。
睡眠検査を行った結果、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、睡眠用マウスピースやCPAP療法といった有効性の高い治療法で治療を行います。
睡眠中のいびき音が大きい事や、無呼吸を指摘された事がある女性の方は沢山いらっしゃいます。治療を行う事で多くの方々でいびき音がなくなったり、熟眠感が出たり、日中の眠気がなくなったり、夜トイレに行く事が減りますので、いびきや無呼吸を指摘された方や気になっている方は一度拝見させて下さい。
当院では睡眠検査から治療導入まで、すべて外来通院・ご自宅での検査で行う事が出来るようになっています。
以上、本日は『 女性のいびき 』について、お話させて頂きました。