『 高血圧症のリスク 』のお話。
2020年9月20日
白金いびき・内科クリニックの内田 晃司 (うちだ こうじ)です。
本日は、『 高血圧症のリスク 』についてお話させて頂きます。
高血圧症とは、血圧が高い状態が維持されている事を示します。健康診断や診療所などの医療機関で血圧を測定した場合は、収縮期血圧 140 mmHg 以上、または拡張期血圧 90 mmHg以上で、自宅で血圧を測定した場合であれば、収縮期血圧 135 mmHg以上、または拡張期血圧 85 mmHg以上で、高血圧の疑いがあります。
もう少し細かい説明をすれば、年齢・測定環境・合併症の有無により人それぞれ目標血圧の基準値は変わり、一般的には24時間血圧測定の結果により、 高血圧かどうかの診断がなされます。
では、高血圧症にはどんなリスクがあるのでしょう?
高血圧状態が何年も持続し高血圧症になると、血管が硬くなる動脈硬化が起こります。この動脈硬化が原因で、脳出血・脳梗塞・狭心症・心筋梗塞・心不全・眼底出血・腎障害などが高率に発生し、健康寿命の短縮と寿命の短縮が起こります。
ですので、健康寿命の短縮と寿命の短縮が起こらないように、また健常者と同様の日常生活を送ることが出来るように、生活習慣改善(食事内容や喫煙・飲酒などの嗜好の改善)と必要な方には投薬で、日々の血圧をコントロールする事をお勧めします。
因みに、過去の臨床試験の結果から、収縮期血圧を10 mmHg下げる、または拡張期血圧を5 mmHg下げると、脳卒中(脳出血と脳梗塞)が40%減少・冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)が20%減少する事が、確認されています。
特に日本人は塩分摂取量が多いため、僅かでも血圧を下げる意義は、欧米と比べてさらに有用であると考えられています。ただし、高血圧も短期間に一気に血圧を下げてしまうと、脳卒中や冠動脈疾患の発生リスクが高まりますので、生活習慣病を拝見できる内科での治療をお勧め致します。
健康診断などで高血圧を指摘された事がある方は、一度拝見させて下さい。
以上、本日は『 高血圧症のリスク 』について、お話させて頂きました。