『 生活習慣病と睡眠時無呼吸症候群の関係 』について。 | 白金 いびき・内科 クリニックブログ

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『 生活習慣病と睡眠時無呼吸症候群の関係 』について。

 

白金いびき・内科クリニック 院長の内田 晃司(うちだ こうじ)です。

 

 

 

昨日まで強風がありましたが、4月27日(木) 本日は午後から天候も良くなり、気持ちの良い午後となりました。

 

 

自然教育園前のイチョウの木も青々としていました。

 

 

当院では、内科、呼吸器・アレルギー内科、小児科の診療を主として行っております。

 

 

 

診療の一部として、睡眠時無呼吸症候群の検査・治療導入・継続管理を行っております。また、睡眠時無呼吸症候群の検査に関しては、自宅での簡易および精密睡眠検査が行える機器をご用意しております (入院しなくても精密睡眠検査(=精密PSG検査)ができる時代になりました)。

 

 

わが国では、睡眠時無呼吸症候群の推定患者さん数の中で、実際に治療を行っている方々は全体の1割程と考えられています。つまり未治療の睡眠時無呼吸症候群の方々が大勢おられると考えられています。

 

特に睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病を高率に合併しますので、高血圧・糖尿病・脂質異常症・肥満などの治療は行っているが、大元となる睡眠時無呼吸症候群は未治療であるという方々が大勢おられるはずです。

 

 

 

そこで本日は、『 生活習慣病と睡眠時無呼吸症候群の関係 』について、お話させて頂きます。

 

 

 

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている時に呼吸が止まりそうになる「いびき」や、呼吸が一時的に止まってしまう「無呼吸」を繰り返す病気です。寝ている時に呼吸が止まりそうになったり止まったりすると、体の中の酸素量が低下しますので、体は「危険だから起きなさい」と体を起こすための指示=覚醒反応が出ます。これにより眠りが浅くなります。

また、寝ている時は体を休めるので副交感神経が優位になるはずですが、いびきや無呼吸により酸素量が低下してくると、少ない酸素で何とかやりくりしようと交換神経が活発になります。これにより夜間にもかかわらず、血管がしまり鼓動が早くなり血圧が上昇していきます。また低酸素により血管内皮障害が起こり動脈硬化に拍車がかかり、低酸素は代謝を悪化させるため脂質異常が起こります。

 

 

高血圧の方の50% ・ 糖尿病の方の40%、脂質異常症の50%、高尿酸血症の方の20%は睡眠時無呼吸症候群を合併していると考えられています。特に血圧の薬を3種類以上内服している治療抵抗性高血圧症の方では、80%の方が睡眠時無呼吸症候群を合併しています。

 

このように合併症が多岐にわたる睡眠時無呼吸症候群は基本的には完治しないと考えられています。ただし、睡眠用マウスピースやCPAP療法といった治療により、虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)や脳卒中(脳梗塞・脳出血)を予防し健康寿命を延ばす事は期待できます。また血圧降下・減量・熟眠感の出現といった効果が目に見える方もいらっしゃいますので、生活習慣病を指摘されている方は、一度は検査を受けて頂く事をお勧め致します。

熟眠感のある生活は大切です。

 

以上、『 生活習慣病と睡眠時無呼吸症候群の関係 』についてお話させて頂きました。