『 睡眠中のいびき音や無呼吸を指摘された方は、拝見させて下さい。 』
2019年3月3日
白金いびき・内科クリニック 院長の内田 晃司(うちだ こうじ)です。
本日は、『 睡眠中のいびき音や無呼吸を指摘された方は、拝見させて下さい。 』について、お話させて頂きます。
自宅や旅行先で、いびき音や呼吸が止まっていた(=無呼吸)事を指摘された方は、「 睡眠時無呼吸症候群 」という病気が発症している可能性があります。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に顎や舌の筋肉が緩む事で喉が詰まり、いびきをかいたり、呼吸が止まったりする病気です。
睡眠中に喉が詰まると体の酸素量が減少し、脳が危険な状況と判断して、寝ているにも関わらず交感神経を活発化して一所懸命起こそうとする事で眠りが浅くなります。また酸素量減少の影響で脈拍が早くなり、動脈が収縮するので動脈硬化(高血圧・不整脈・脂質異常症・糖尿病・肥満など)が進行します (高血圧・不整脈・脂質異常症・糖尿病・肥満の大元の原因が、睡眠時無呼吸症候群である事は多いです)。
睡眠時無呼吸症候群は、日中の眠気が度々起きたり、寝ても疲れが取れない、夜トイレのために起きる事がある、などの症状が出現し、そのまま10年・20年と経過すると高血圧や糖尿病などの生活習慣病を発症した後に、心筋梗塞・脳卒中を合併して寿命が短くなります。
ですので、ご家族や友人に睡眠中のいびきや無呼吸を指摘された方は、睡眠時無呼吸症候群が疑われるかどうかを測定する簡単な睡眠検査を行う事をお勧め致します。この簡単な睡眠検査は、簡易ポリグラフ検査と言われるもので、下の写真のような検査器具(オレンジ色の器具です)を当院からお貸出ししますので、ご自宅で装着して寝て頂きます。痛みはありませんし、どなたでも簡単に行う事が出来ます。装置の取り付けは、非常に簡単です。
この簡易ポリグラフ検査では、鼻につけたセンサーで呼吸が弱くなったり止まったりする事を測定し、指のセンサーで酸素が低下しているかどうかを測定します。ご自宅で一晩測定して頂き、後日検査器具をクリニックにお持ち頂き、数分で解析を行い結果報告を致します。この結果により精密検査が必要かどうか、または治療導入の適応があるかどうか等を判断致します。
いびき・無呼吸のご相談が初めての方は、初診時に胸部レントゲン・鼻腔通気検査(鼻づまりを確認する検査)・呼吸機能検査(肺の通り易さを確認する検査)とこの簡易ポリグラフ検査を行いますので、3割負担の方で6100円程の費用がかかります (睡眠時無呼吸症候群に関する全ての検査を行うと3割負担で合計 22000円前後になります)。
睡眠時無呼吸症候群は、高血圧や脂質異常症などの生活習慣病を高率に合併する事で、短命になる病気です。治療は、睡眠用マウスピースやCPAP療法(持続陽圧呼吸療法)を継続的に行う事で、多くの方が病気が無い方と同等の寿命になる事もわかっています。
ご家族や友人の方で、睡眠中のいびき音や無呼吸を指摘できる方がいらした場合は、一度拝見させて下さい(ご家族や社員の方のためにも受診をお勧め致します)。
以上、本日は『 睡眠中のいびき音や無呼吸を指摘された方は、拝見させて下さい。 』について、お話させて頂きました。