『 いびき症・睡眠時無呼吸症候群の治療法と期待できる効果 』について。 | 白金 いびき・内科 クリニックブログ

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『 いびき症・睡眠時無呼吸症候群の治療法と期待できる効果 』について。

白金いびき・内科クリニック 院長の内田 晃司(うちだ こうじ)です。

 

 

 

 

9/8 本日は秋空といった天気でした。

9/8(金) 11:30の白金台の空模様です。

 

 

本日は、『 いびき症・睡眠時無呼吸症候群の治療法と期待できる効果 』について、お話させて頂きます。

 

 

 

 

 

いびき症・睡眠時無呼吸症候群に対する治療法としては、睡眠用マウスピース・CPAP療法・手術などがあります。いずれも睡眠検査を行った上で病状の重症度を測り、ご本人の日常生活に合わせた治療を行います。

 

 

 

睡眠検査結果から下記疾患と診断された場合の標準治療は、睡眠用マウスピース、またはCPAP療法となります。

 

 

< 病名 >                                    < 治療法 >

単純性いびき症     → 睡眠用マウスピース

上気道抵抗症候群    → 睡眠用マウスピース

軽症睡眠時無呼吸症候群 → 睡眠用マウスピース

中等症睡眠時無呼吸症候群→ CPAP療法

重症睡眠時無呼吸症候群 → CPAP療法

 

 

いびきの音は出ているが、睡眠障害や呼吸障害を認めない単純性いびき症や、睡眠障害は認めるが呼吸障害は認めない上気道抵抗症候群は、睡眠時無呼吸症候群よりも重症度は軽くなります。

 

 

 

 

 

下の写真は睡眠用マウスピースです。睡眠時に装着して寝て頂きます。ご本人専用のマウスピースなので、歯科で歯型を取って作製して頂きます。上下の歯すべてがマウスピースに入り込み、下顎が前に出るようになっています。これにより喉の閉塞を緩和します。保険適応で1~2万円程です。

 

睡眠用マウスピースは、下顎を前へ出す構造になっています。

 

 

 

 

 

下の写真はCPAP療法です。睡眠時に鼻マスクを装着して寝て頂きます。鼻マスクから圧力をかけた空気が押し出され、空気の力で喉の閉塞を解除します。CPAP療法に使用する機器は病院からの貸し出しになりますので、毎月5000円程の費用が継続してかかります。

 

CPAP療法です。鼻マスクをして寝る事で、熟眠感の出現や日中の眠気が減少します。

 

 

手術による治療法に関しては、いびき・無呼吸の原因が明らかに扁桃腺肥大やアデノイドによる場合や、睡眠用マウスピースやCPAP療法でも改善を認めない場合に考慮します。麻酔は全身麻酔となります。

 

 

 

 

 

睡眠用マウスピースとCPAP療法はいずれも、睡眠中の喉の詰まりを解除し体に酸素を供給する事が目的です。酸素が入る事で正常な方と同様に睡眠中は副交感神経優位となり、熟眠感の出現や日中の眠気の消失、夜間頻尿・中途覚醒の改善や頭痛の消失などが認められます。

 

 

そして最も期待する事は、血圧・糖・脂質・尿酸の代謝の正常化(生活習慣病の改善)により、虚血性心疾患 (狭心症・心筋梗塞)と脳卒中(脳出血・脳梗塞)と突然死(不整脈・解離性大動脈瘤)の発症リスクを減少させて、健康寿命が延長する事です。

 

 

CPAP使用により心血管疾患の発生が著名に減少しています。

 

 

いずれの治療も副作用は非常に少ないのですが、完治する治療法ではありません。また、これらの治療は毎晩行う必要があります。

 

 

 

 

睡眠用マウスピースおよびCPAP療法は副作用が非常に少なく効果が高いとされており、世界でも標準的治療の第一選択となっています。特に健康寿命の延長に寄与しますので、気になる事がある方は、一度は睡眠検査を受ける事をお勧め致します。

 

 

< 特に睡眠検査を受けて頂きたい方 >

① 睡眠中のいびき音や無呼吸を指摘された事がある方。

② 高血圧・糖尿病・脂質異常症(高脂血症)・高尿酸血症・肥満などの生活習慣病を指摘されている方。

③ 狭心症・心筋梗塞・脳出血・脳梗塞・不整脈・大動脈解離を指摘された事がある方。

 

 

 

以上、本日は『 いびき症・睡眠時無呼吸症候群の治療法と期待できる効果 』について、お話させて頂きました。