『 従業員の方々への睡眠時無呼吸症候群検査 』について。
2017年5月17日
白金いびき・内科クリニック 院長の内田 晃司(うちだ こうじ)です。
当クリニックの待合室には、刺繍の絵が2点あります。来院時にご覧頂ければと思います。
本日は、従業員の方々への『 睡眠時無呼吸症候群(SAS)企業検診のおすすめ 』についてお話させて頂きます。
会社の従業員の方々の中に、「日中の眠気が強い」・「熟眠感がない」・「睡眠中のいびき音や無呼吸を指摘された事がある」という方がいらした場合は、睡眠時無呼吸症候群の存在が疑われます。
睡眠時無呼吸症候群の方は、睡眠中に呼吸が断続的に止まってしまう事で酸素が低下します。これにより、睡眠の質・量ともに十分得られず、慢性的な睡眠不足の状態になります。また、生活習慣病やメタボリックシンドロームを高率に合併する事から、これらの大本の原因と考えられています。
企業内の従業員の方々で睡眠時無呼吸症候群を患っている場合は、日中の強い眠気などの症状により、仕事効率は低下し、大きな事故や労働災害になる可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群による有名な事故では、2003年の新幹線の運転手が睡眠時無呼吸症候群の症状による居眠りのため停車駅を通過した事例や、記憶に新しいもので言えば2012年の関越自動車道で起きた高速バスが高速道路脇の壁に激突した事例があります。
デスクワークを主とする30歳~65歳までの都内ビジネスパーソン 16社 518名を対象とした調査では、30%の方が中等症または重症の睡眠時無呼吸症候群であったとの報告もあります。
日本ではメタボリックシンドロームの検診はたくさん行われていますが、その大本となる睡眠時無呼吸症候群の検診は少なく、企業経営者や健康管理責任者の方々に、睡眠時無呼吸症候群に対する認識をお持ち頂き、働き盛りの従業員における睡眠時無呼吸症候群の早期発見・早期治療導入をお勧め致します。
以上、『 従業員の方々への睡眠時無呼吸症候群検査 』についてお話させて頂きました。