『 小児喘息 』について。
2017年4月10日
白金いびき・内科クリニック 院長の内田 晃司(うちだ こうじ)です。
桜が満開で、新しい門出にふさわしい日々になっていますね。
当クリニックでも4月10日(月) 本日より、標榜科に『小児科 』と『 アレルギー科 』を新たに加え、『 内科・呼吸器内科・小児科・アレルギー科 』として診療の幅を拡大させて頂きました。
私は内科・呼吸器内科医ですので、呼吸器・感染症・アレルギーの領域が専門となります。お子様の発熱・鼻水・咽頭痛・湿疹などの感染症・アレルギー領域と、呼吸器科医として小児喘息の対応も行います。お子様の体調変化を認めた時は、ご相談下さい。
では、本日は『 小児喘息 』について、お話させて頂きます。
お子様が咳をしているので風邪かと思っていたら、ある時から「ゼイ・ゼイ」「ヒュー・ヒュー」と苦しそうな呼吸に変わっている。この場合は、小児喘息が考えられます。
小児喘息は大人の気管支喘息と同様に、空気の通り道である気管支に炎症が起こる事で気管支がむくみ狭くなり、呼吸が苦しくなります。気管支に炎症が起こる原因は、多くがハウスダスト(花粉、繊維の屑、ダニの死骸)などのアレルギー物質の吸入によるものであり、原因物質の80%は検査で特定できるとされています。また、風邪や運動、薬により誘発される事もあります。
小児喘息のお子様は3歳までに70%が発症します。放置すると喘息症状により日常生活の制限や成長への影響が出ますので、しっかりとした治療の導入をお勧め致します。
治療はロイコトリエン拮抗薬と吸入ステロイド薬が中心となります。この2剤の出現により小児喘息の治療・管理は以前と比べ驚くほど良くなり、喘息発作回数や入院の回数は格段に減少しています。更にこの2剤は副作用が非常に少ないです。
お子様の場合は、内服薬は粉薬になります。吸入ステロイド薬は、吸入補助器具を使用して吸入して頂きます ( 吸入補助器具は当クリニックより新品をお渡しします )。
治療期間は、発症年齢を考慮致しますが、治療薬を使用しながら半年間から1年間無発作・無症状を目指します。その後はお薬を減量・中止していき、お薬なしで1年間無発作・無症状を目指します。漫然と薬を使用する事はありません。
治療期間が長くなるお子様もいらっしゃいますが、小児喘息の方の80%~90%は15歳までに自然に改善しますので、それまでの間 ご両親と一緒に頑張って頂く事になります。
以上、『 小児喘息 』についてお話させて頂きました。