『 花粉症 』について。
2017年2月7日
白金いびき・内科クリニック 院長の内田晃司でございます。
2月ですので、本日はこの時期に症状が出やすい『 花粉症 』についてお話させて頂きます。
花粉症は、スギやブタクサなどの花粉が原因で、くしゃみ・鼻水・眼のかゆみ・空咳などのアレルギー症状が出現する疾患です。
東京では2月~5月までスギ・ヒノキの花粉が、8月~10月までブタクサやイネの花粉がたくさん飛ぶ事で、症状が出ます。毎年これらの季節になると症状が出現するので、「季節性アレルギー性鼻炎」とも呼ばれます。(「通年性アレルギー性鼻炎」の原因は、ハウスダストやペットの毛などであり、1年を通して症状があります。)
日本国民の20~25%は花粉症であると考えられており、多くの方が突然発症します。自然に治癒される方も数%いらっしゃいますが、多くの方が毎年花粉症に悩まされます。花粉症の症状を完全に無くすことは難しいですが、当クリニックでは、日常生活に支障が出ないよう、またライフスタイルに合わせた治療方針を提案させて頂き、一緒に治療方法を決定していきます。
治療方法として、
1、花粉からの回避
花粉とできるだけ接触しないようにします。外出時には眼鏡・マスクを着用し、帰宅時には衣服・髪の花粉をしっかりと払いましょう。うがい・手洗い・鼻かみも行いましょう。洗濯物を干す位置を考えましょう。
どの花粉にアレルギー反応があるのかを調べるには、採血によるアレルギー検査を行います。この検査は3割負担で約5000円の費用がかかりますが、スギ花粉やヒノキ花粉のほか、ハウスダスト・小麦・卵白・エビ・カニ・トマト・桃など36項目に対するアレルギー検査が行えます。
2、薬物療法
内服薬・点鼻液・点眼液を必要に応じて使用します。内服薬の新規抗ヒスタミン剤は、1日1回内服と持続時間が長く、眠気の副作用はほとんど出現しません。このような内服薬も登場してきました。
点眼液は、目にしみないものを勧めます。点鼻液は即効性がありますが、使いすぎると効果を感じられなくなる方がいらっしゃいます。
薬物療法は、花粉飛散開始時期の2週間前から使用すると症状も軽減されます。早めの対策がポイントになります。
3、舌下免疫療法
スギ花粉やダニが原因でアレルギー症状が出現する方に、原因となる物質を時間をかけて少しずつ体内に取り入れ、アレルギー反応が起こらないように体に慣れさせる治療法です。根治する可能性がある治療方法と考えられています。年単位の治療期間が必要となります。(当クリニックでは行っておりません)。
4、手術療法
鼻粘膜の一部をレーザーで焼いて、花粉が付いてもアレルギー反応が起こらないようにする手術です。焼かれた粘膜は時間と共に再生するので、再生後は花粉症も再発します。(手術適応の方は耳鼻科を紹介させて頂きます。)
花粉症症状の方には、以上のような治療方法を提案させて頂きます。くしゃみ・鼻水・眼のかゆみを自覚される方には早めの治療開始をお勧め致します。
以上、花粉症についてお話させて頂きました。
(次回は睡眠時無呼吸症候群について、お話させて頂きます。)