眠っている間に、大きないびきをかいていたと思ったら急に呼吸が止まり、しばらくして再び大きないびきをかき始める。このようなエピソードを指摘された方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性が高いと考えられます。睡眠時無呼吸症候群は心筋梗塞や脳卒中を合併し易い病気です。
当院では睡眠時無呼吸症候群の検査・診断・治療導入・治療継続を行っております。
白金高輪など白金台近隣のほか、上大崎・五反田方面の方もぜひご相談ください。

いびき症・睡眠時無呼吸症候群の初診をご希望される方は、完全予約制となっておりますので、電話でのご予約をお願いいたします。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に何回も呼吸が止まってしまう病気です。
肥満傾向の方や顎が小さい方 (特に女性) は元々気道が狭いために、眠っている間の重力の影響とわずかな筋弛緩により空気の通り道である気道の閉塞が顕著となって、呼吸が止まります。

睡眠中に何度も呼吸が止まると血液中の酸素が低下し、血管や代謝に負担をかけ、心筋梗塞や脳卒中、高血圧や脂質異常などの循環器病を高率に合併してしまいます。睡眠時無呼吸症候群を放置するとこれらの合併症により短命となり易いですが、一方で治療をきちんと受けられると長生きできる方が多い事も分かっています。
いびきは無呼吸の前兆ですので、睡眠時無呼吸症候群の方の多くにいびきが認められますが、ご自身で気付く事は難しいですので皆様の周りで睡眠中のいびきがひどい方や呼吸が何回も止まっている方がいらしたら、是非受診を勧めてあげて頂きたいと思います。

当クリニックでは、症状や問診から睡眠時無呼吸症候群が疑われた方には、本当に睡眠時無呼吸症候群が存在するかどうかを判別する検査をお勧めしております。
まず外来で採血・胸部レントゲン撮影・血圧測定・鼻腔通気検査・呼吸機能検査・血管年齢検査を行い、睡眠中の呼吸の乱れを簡便に測る簡易型睡眠モニター検査(＝簡易ポリソムノグラフ検査)をご自宅で受けて頂きます。
これらの結果から睡眠時無呼吸症候群が強く疑われた方には、確定診断が可能な精密睡眠モニター検査(Full-PSG検査)を後日ご自宅で受けて頂きます。

自宅での精密Full-PSG検査の様子です。

睡眠時無呼吸症候群を確定診断するまでには、初診から約5週間の時間と検査費用が3割負担の方で約2.5万円かかります。(精密睡眠モニター検査の解析に4週間程かかります)

検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と診断された方には放置せず治療をお勧め致します。ただし、確立した完治する治療方法はございません。
治療としては、可能な方は減量と生活習慣の改善を前提として、いびき・日中の眠気・夜間頻尿などの症状が改善するように、合併症が発症・進行しないように、就寝時に器具を装着して頂きます。

CPAP療法に使用するCPAP機器です。

軽症の睡眠時無呼吸症候群と診断された方には、睡眠用マウスピースでの治療をお勧めします。睡眠用マウスピースは下あごを少し前方に出すもので、歯科を紹介させて頂き、こちらで作成・治療継続を行います。作成には3週間の時間と3割負担で約1.5万円の費用がかかり、約1.5年程使用出来ます。

中等症または重症の睡眠時無呼吸症候群と診断された方には、CPAP療法(シーパップ、持続陽圧呼吸療法)での治療をお勧めします。CPAP療法とは就寝時に専用鼻マスクを装着し、機械で圧力をかけた空気をこの鼻マスクを介して閉塞している気道へ送り込み、空気の力で気道閉塞を解除させるものです。
毎日CPAPを使用する事で自覚症状の改善、合併症予防の効果が高いです。

CPAP療法をご希望される方には、CPAP療法に使用する機械を当クリニックからお貸し出し致します。CPAP療法施行中は毎月の受診を行って頂き、CPAP機器の作動状況の確認や使用料算定、管理指導を行います。この毎月の外来受診時にCPAP療法に関する治療費が、3割負担の方で毎月約5千円かかります。
睡眠用マウスピースもCPAP療法も対症療法であり、完治する治療法ではありませんので、どちらの治療法も基本的には永続して使用して頂く方針となります。

睡眠中にCPAP療法を行っている様子です。

少し前までは睡眠中の無呼吸は病気だとは考えられていませんでしたが、現在では医学的にはっきりとした病気であり、私達が眠っている間に着々と循環器病の下地を作っています。心筋梗塞や脳卒中などの疾患を患わずに、健康寿命を延ばす為にも、私達の人生の1/3を占める睡眠の重要性に注意を払うべきだと考えます。
繰り返しとなりますが、周りに睡眠中のいびきや無呼吸を指摘できる方には是非、専門医療機関の受診を勧めて頂きたいと思います。