『 いびき音や無呼吸に対する治療であるCPAP療法(シーパップ) 』のお話。
2019年11月7日
白金いびき・内科クリニック 院長の内田 晃司 (うちだ こうじ)です。
本日は、『 いびき音や無呼吸に対する治療であるCPAP療法(シーパップ) 』について、お話させて頂きます。
睡眠中のいびき音が大きい事や無呼吸を指摘された事がある方は、睡眠時無呼吸症候群がの存在が疑われます。
睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に下顎や舌の筋肉が緩みすぎる事で、空気の通り道である気道を上から塞いでしまい、いびき音や無呼吸が起こります。気道が塞がっている回数が多いと体の酸素量が減少してしまい、症状としては熟睡感が無かったり日中の眠気が出たり、トイレのために睡眠中に起きます。また酸素量減少により血管の動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中が出現しやすくなります。この睡眠時無呼吸症候群の診断には簡易睡眠検査や精密睡眠検査を行って頂き、診断致します。
睡眠時無呼吸症候群の治療方法は、軽症の方には歯科で下図のような睡眠用マウスピースを作成して頂きます。この睡眠用マウスピースを睡眠時に着用する事で、下顎が気道へ落ち込まないようにします。
中等症と重症の方には、CPAP療法(シーパップ)を行って頂きます。CPAP療法は下記のCPAP本体にホースを繋ぎ、鼻マスクを着用して寝て頂きます。
このCPAP療法は、CPAP本体が部屋の空気を吸い込み、吸い込んだ空気に圧力をかけて、ホースと鼻マスクを介して塞がっている気道へ圧力がかかった空気を押し当てます。この圧力がかかった空気の力で、下顎と舌を上へ押し上げ、気道を確保する事でいびき音と無呼吸を防ぎます。副作用はほとんどありません。CPAP療法を行うといびき音と無呼吸はほぼ消失します。
また、このCPAP療法により熟眠感が出たり、日中の眠気が減少する方が多いです。さらに一番期待する事は、狭心症・心筋梗塞や脳出血・脳梗塞などの合併症を軽減する事です。CPAP療法に使用する機器は、病院からお貸し出し致します。
睡眠時無呼吸症候群は心筋梗塞や脳梗塞などの合併症により短命になりやすい病気ですので、ご本人やご家族の方で、睡眠中のいびき音や無呼吸に気付いた方は、まずは病気があるかないかを確認するために、一度拝見させて下さい。
初診時は問診・診察・検査・簡易睡眠検査の説明で1時間程の時間と、3割負担の方は6100円程の費用がかかります。
以上、本日は『 いびき音や無呼吸に対する治療であるCPAP療法(シーパップ) 』について、お話させて頂きました。