『 いびき・無呼吸と生活習慣病の関係 』のお話。
2019年8月21日
白金いびき・内科クリニック 院長の内田 晃司 (うちだ こうじ)です。
本日は『 いびき・無呼吸 と 生活習慣病の関係 』についてお話させて頂きます。
寝ている間に顎や舌の筋肉が緩まりすぎると、重力で顎が気道へ落ち込み喉が詰まります。これにより「いびき」や「無呼吸」が起こります。この「いびき」と「無呼吸」を繰り返す事で、睡眠中の酸素が減少してしまい、症状や合併症が出現する病気が、睡眠時無呼吸症候群です。
睡眠時無呼吸症候群のように寝ている間に体の酸素量が減少すると、体にとっては非常に危険なので体を起こそうとする交感神経が活発になり、血管が締まり脈拍が早くなり血圧が上昇していきます。
また酸素量の減少が長時間続くと、血管内皮を障害し、血管が硬くなる動脈硬化や代謝を悪化させてしまい、高血圧症・脂質異常症・糖尿病・高尿酸血症・肥満などの生活習慣病を併発します。
下図のように、高血圧の方の50% ・ 脂質異常症(高脂血症)の方の40%、高尿酸血症の方の50%、糖尿病の方の20%は睡眠時無呼吸症候群を合併しています。特に血圧の薬を3種類以上内服している治療抵抗性高血圧症の方では、80%の方が睡眠時無呼吸症候群を合併しています。
このように生活習慣病が合併しやすい睡眠時無呼吸症候群は、基本的には完治しないと考えられています。ただし、睡眠用マウスピースやCPAP療法といった治療を継続的に行う事により、高血圧症や糖尿病から来る虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症)や脳卒中(脳梗塞・脳出血)を予防し、健康寿命を病気が無い方と同程度まで延ばせる事もわかっています。
ですので、「 いびき・無呼吸を指摘された事がある方 」・「 生活習慣病を指摘されている方 」は、一度は睡眠時無呼吸症候群の検査を受けて頂く事を勧めますので、ご相談下さい。
以上、本日は『 いびき・無呼吸 と 生活習慣病の関係 』について、お話させて頂きました。