『 副鼻腔炎気管支症候群 』のお話。
2018年10月16日
白金いびき・内科クリニック 院長の内田 晃司(うちだ こうじ)です。
本日は、『 副鼻腔気管支症候群 』について、お話させて頂きます。
鼻水・鼻づまり・後鼻漏・頭重感などの蓄膿症や副鼻腔炎による症状を認める方の中に、同時に咳・痰・労作時の息切れ・血痰を認める方がいらっしゃいます。
これらの症状を認める方は、単に副鼻腔炎だけでなく、「 副鼻腔炎気管支症候群 」である可能性があります。
この副鼻腔炎気管支症候群は、鼻 (上気道) と鼻から下方に続く気管支 (下気道) が繋がっている事から、炎症が波及してしまい上気道炎(副鼻腔炎や蓄膿症)と下気道炎(慢性気管支炎・気管支拡張症・びまん性汎細気管支炎)を繰り返してしまう病気です。鼻が詰まり、気管支から咳と痰が出るので、空気の通り道が塞がってしまい、呼吸がつらくなり集中力が失くなります。
検査は胸部画像検査(レントゲン撮影やCT撮影)・呼吸機能検査等を行います。治療としては、去痰剤とマクロライド系抗菌薬の少量持続投与を行います。この治療法により、標準的な方は1ヶ月ほどで鼻通りが改善し始めます。効果があれば数カ月間継続して治療を行います。
鼻通りが悪い方で咳や痰・呼吸困難や血痰を認める方は、一度拝見させて下さい。
以上、本日は『 副鼻腔気管支症候群 』について、お話させて頂きました。