『 食物依存性運動誘発アナフィラキシー 』について。
2017年4月14日
白金いびき・内科クリニックの内田晃司(うちだ こうじ)です。
日中は少しずつ温かくなって参りました。今週末は晴れる予報ですので、散歩に出かけるのも良いと思います。
では、本日は『 食物依存性運動誘発アナフィラキシー 』についてお話させて頂きます。
メディアでも食物依存性運動誘発アナフィラキシーという言葉は、あまり使われていないと思います。この病気は特定の食物摂取とその後の運動により、全身のじんま疹や血圧低下、呼吸困難といったショック症状が出現するアレルギー性疾患です。中学生・高校生に多いとされており、2回以上発症する方が多く、その方々は原因となる食べ物が特定しやすくなります。
特定の食物の摂取量や運動量の多さ・少なさはそれほど関係ありません。アレルギーの元となる食物摂取+食物摂取後2時間以内の運動の条件の下で引き起こる症状です。原因食物は、60%が小麦類、30%が甲殻類、その他に果物やナッツ類でも起こり得る事がわかっています。
運動によりこれらのアレルギー物質の吸収が高まり症状が出現すると考えられています。よって、運動する事がダメな訳ではなく、「原因食物を食べたら運動しない、運動するなら食べない」を徹底する事になります。
治療としては、症状が出現した時点で運動を中止し、じんま疹が出現した場合は抗ヒスタミン剤を内服、ショック症状の場合は手持ちのエピペンを注射し医療機関を受診して頂きます。
以上、『 食物依存性運動誘発アナフィラキシー 』についてお話させて頂きました。